前回(12月28日)の当欄でご紹介したアメリカの漫画「100 BULLETS」ですが、このシリーズを刊行しているのが、DC Comics社の「VERTIGO」というレーベル。ここでは、日本でいえば青年誌に載っているような大人向けのハードな作品を数多く出していて、なかなか面白そうです。
この「VERTIGO」という単語、辞書を引いてみると「《病理》（高所から見下ろしたときのような）めまい」と書いてありました。
そしてフランスには、国外の漫画の翻訳を多く出版している「VERTIGE GRAPHIC」という会社があり（http://www.vertige-graphic.fr/に公式サイトがあったようですが、表示されなくなってる!?）、日本からは『はだしのゲン』や辰巳ヨシヒロ氏の劇画作品の翻訳などを刊行されているのですが、この「VERTIGE」という単語を辞書で引くと、やっぱり「めまい」という意味でした。
欧米の漫画観と「めまい」、何か相関関係でもあるのでしょうか。それとも、たまたま同じネーミングになっただけで、特に深い意味などないのかな。
前回(12月22日)の当欄でご紹介したCGアニメ「BATMAN: NEW TIMES」ですが、完成が1月中旬に延びたとのこと。残念！でも、待ち遠しいです。
ところでBATMANといえば、今年の春頃、神田の洋古書店で「BROKEN CITY」（→版元DCコミックスの紹介ページ）とサブタイトルのついたリーフ(冊子)を２冊(BATMAN #620と#623)、買ってみました。執筆メンバーは、SOTRY：Brian Azzarello、ART:Eduardo Risso、COVER:Dave Johnson とのことで、同じメンバーによる「100 BULLETS」（→DCコミックスの紹介ページ）２冊(#46と#47)も併せて購入。何故購入したかというと、以前アルゼンチンの漫画についてネットで調べていたときに、漫画家のEduardo Risso氏（→公式サイト）に関する記事をいくつか見かけて、その絵柄に惹かれたからです。
この「BROKEN CITY」のリーフを２冊読んで感じたことですが、どうやらバットマンは殺人事件の真犯人を探しているみたいなのですが、「LITTLE TOKYOに降り立った」とか「そこにはFATMANとLITTLE BOYと呼ばれるNEW PLAYERがいる」といった妙に日本趣味のフレーズが心に引っ掛かってしまいました。ゴッサムシティーの中にリトルトーキョーがあるのはともかく、キャラクターの名前に原爆のニックネームを使うというのは、心の中に少々わだかまるものを感じてしまいましたよ。
こういうのはライターのBrian Azzarello氏の趣味なのでしょうか。「100 BULLETS」の最新刊TPB(単行本)のサブタイトルが「SAMURAI」でしたし。時代劇でもないのに何故SAMURAIか？それは、このTPBが第７巻だから！（日本人なら即座にピンときますよね。最近、こういう判決があった位ですし。）
「BATMAN:BROKEN CITY」よりはこちらの方が面白そうだなーと思い、とりあえず１冊だけTPB(単行本)をamazon.co.jpで購入してみました。（→これ）
「100 BULLETS」の日本語による紹介は、「blackmagic」さんの紹介文と、「暗黒太陽通信(Fainted Sun)」さんの紹介文が参考になりました。そして今回購入したTPB第６巻では、100発の銃弾に関わった（もしくはこれから関わる）人々のドラマが１話完結で計６話、収録されています。どうやら、途中から読む人にも作品世界の雰囲気がつかめるような配慮がなされているように感じられました。というか、そもそもこのシリーズ全体が、必ずしも時系列で話を進めている訳ではないようです。なぜそう思ったかというと、この巻で【<ネタバレ自粛>】してたキャラクターが、後に続くシリーズで【<ネタバレ自粛>】していたから。恐らくストーリー上の時間軸を行きつ戻りつして、個々の登場人物のエピソードを掘り下げ、段々と物語の核心に近づけていこうとしているのでしょう。
このTPB第６巻に収録されている話の中では、闇社会にドロップアウトしたと思われるCole Burnsというキャラクターの物語がキザで格好良かったです。また、冴えないガソリンスタンド従業員Wylie Timesのターゲットがアノ人！ということで、続きが非常に気になりました。
ところで「100 BULLETS」のTPBのサブタイトルにはそれぞれ数字が隠されているようなのですが…
1:FIRST SHOT LAST CALL
2:SPLIT SECOND CHANCE
3:HANG UP ON THE HANG LOW
4:FOREGONE TOMORROW
5:THE COUNTERFIFTH DETECTIVE
6:SIX FEET UNDER THE GUN
7:SAMURAI
…３巻のサブタイトルの由来が分からない。どなたかお分かりになる方、いらっしゃいますか？
【2005.06.07追記】
「100 BULLETS」の英語のファンサイト100 B.U.L.L.E.T.Sにあらすじが載っているのを読んでみたのですが、…どうも私、思いっきり読み間違えていたみたいです。お恥ずかしやすみません。あのキャラクターは【<ネタバレ自粛>】してた訳じゃあなかったし、物語は時系列で進んでいたということなのかー…
BATMAN: NEW TIMES
（参照元：フランスのアニメ情報サイトCatsuka News・11月25日付記事）
The DAVE Schoolという、アメリカにあるCGアニメーションの学校の卒業制作だそうです。
以前、2004年7月25日の当欄で、レゴブロックによる「スパイダーマン２」のショートムービーをご紹介しましたが、このショートムービーにインスパイアされて作成製作されたとのこと。現在、予告編が公開中。クリスマスに正式バージョンが公開されるのかな？楽しみです。